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海外駐在のメリット・デメリットから駐在員になる方法や事前準備まで解説

グローバル化が進む現代において、「海外で働きたい」「グローバル人材として世界で活躍したい」と考える人は多いでしょう。強い憧れがある一方で、海外駐在のマイナス面や駐在員になる方法について不安があるのではないでしょうか。

本記事では、海外に駐在員として派遣されるメリット・デメリットから駐在員のなり方、赴任が決まったときの事前準備まで解説します。海外でのキャリアアップについて、興味がある人向けの情報をまとめました。

海外駐在とは

海外駐在とは、海外に派遣され、現地で働くことを意味します。多くは営業職・会計職・技術職・生産管理職のいずれかで、一般的には現地拠点を取りまとめる管理職として派遣されます。

駐在期間は、派遣される目的やポジションによって異なりますが、2〜5年が多いようです。期間が終わると日本に帰国するケースと別の国に再派遣されて海外駐在を続けるケースがあります。基本的に、駐在する国や期間は会社の都合で決められるため、好きな国に赴任できるとは限りません。

海外駐在は、日本で雇用され、海外に派遣されるシステムです。給与は日本の給与体系で計算され、海外手当てが加算されて支払われます。そのため、物価が低い国に派遣された場合、高水準の暮らしを送ることができます。物価が高い国に派遣される場合でも、安定して生活できるよう海外手当てが多く加算されます。

海外駐在のメリット

出戻り社員として働くメリット

海外に駐在員として派遣されると、グローバル人材に必要な能力が身に付きます。ここでは、海外に駐在するメリットを具体的にみていきましょう。

・収入アップが見込める

・語学力が向上する

・マネジメント能力が向上する

・コミュニケーション能力が高まる

・多様性・異文化を受け入れる力が付く

・主体性・積極性が身に付く

・今後のキャリア・人生の選択肢が増える

海外で数年間働くことで、日本では得られない経験を多く積むことができます。

収入アップが見込める

海外に駐在する場合、一般的に給与額が日本で働くよりも1.5〜1.8倍になるため、多くのケースで収入アップが見込めます。これは、日本を離れ、海外で働くことに対する海外手当てが加算されるためです。

海外手当てには、海外勤務給のほか、住宅補助や医療費補助、自動車貸与などが含まれます。家族帯同の場合、家族の生活も考え、教育費補助や海外別居手当が加算されることもあります。

参考:海外駐在員の処遇制度設計

語学力が向上する

海外で生活し、現地のスタッフと仕事をすることになれば、自ずと語学力は向上します。短期の留学や旅行と違い、生活することで、より実用的な語学力が身に付くでしょう。

現地の言語を使用する機会は企業や業務内容にもよるため、業務で語学をあまり使わないという場合は、意識的に現地の人と交流を図ることがポイントとなります。一緒に働くスタッフに日本人が多くても、買物や食事をするときに現地の人と会話を持てれば、語学力アップが見込めます。

マネジメント能力が向上する

海外駐在では、マネジメント能力も向上しやすい環境で仕事をすることになります。

現地拠点の管理職として派遣されることが多いうえ、取りまとめるスタッフは日本人とは限りません。さまざまなバックグラウンドを持ち、日本人とは異なる価値観や考え方を持つ現地スタッフを取りまとめることになるため、当然難易度は上がります。そのため、日本で管理職を勤める以上にマネジメント能力の向上が期待できます。

コミュニケーション能力が高まる

海外で生活することで、コミュニケーション能力も身に付きます。

言語や文化が違えば、理想のコミュニケーションスタイルは変わるものです。日本は場の空気を読むという「ハイコンテクスト文化」なので、とくに、北米や西欧のような端的な言葉通りの意味で明快な意思疎通を図る「ローコンテクスト文化」の国では大きなギャップを感じるでしょう。価値観が異なる現地のスタッフや取引先と、日本で働くスタッフとの連携を図るなかで、円滑な人間関係を築く力が養われます。

多様性・異文化を受け入れる力が付く

海外で生活をして仕事をすることで、否が応でもその国の多様性を理解し、異文化を受け入れなければなりません。

日本よりも宗教や政治的思想が、生活習慣や国民性に強く根付いている国であれば、日本人の価値観では理解しがたい出来事やトラブルも多く起こるでしょう。反対に、日本での常識が、海外に行くと非常識だと思われることもあるものです。最初は文化や考え方の違いに戸惑っても、生活や仕事をするためには自分がその国に順応するしかありません。そのため、価値観が広がり、異なる価値観への対応力も身に付くでしょう。

主体性・積極性が身に付く

海外駐在では、主体性・積極性が身に付きやすいというメリットもあります。

異なる価値観を早く受け入れて現地での生活になじむためには、自ら必要な経験を得る機会を作らなければなりません。新しい言葉を学ぶためにも、自分から積極的に話しかけて、意思疎通を図ることが求められます。日本からの代表としてより良い結果を出すためには、主体的に動く力が必要なのです。

今後のキャリア・人生の選択肢が増える

ここまでの海外駐在のメリットを見てわかるように、海外で仕事をして生活するとなると、ビジネスパーソンとして強みになる能力が身に付き、ほかの日本人にはない経験を積むことができます。いずれも今後のキャリアや人生の選択肢を増やすことにつながるでしょう。

とくに、国際的な視点とグローバル人材としてのスキル・経験は、日本国内にいては獲得が難しいものなので、今後のキャリアにおいて大きな強みとなります。社内での人事評価での加点はもちろん、転職市場での価値もかなり高まります。

そのほか、海外での生き方を知ることで、日本の良さや日本人としてのアイデンティティを再発見するケースはよくあります。新たな気づきは、日本に帰ってからの生活も、より豊かなものにしてくれるはずです。

海外駐在のデメリット

海外駐在は華やかなキャリアに感じる人もいるでしょう。しかし、実際には不安やストレスを感じる人も多く、下記のようなデメリットもあります。

・文化や習慣の違いがストレスになる

・食事が口に合わない

・治安が悪く危機管理が必要になる

・家族の生活や人生にも影響する

日本で生活してきた多くの人は、日本での生活をもっとも快適に感じるものです。海外駐在のデメリットを知ったうえで、海外に行くか決めるようにしましょう。

文化や習慣の違いがストレスになる

文化や習慣への順応が必要だとはいえ、日本での生活と大きな乖離がある国での生活や現地の人々とのコミュニケーションは大きなストレスを感じるものです。人によって程度の差はありますが、大きなストレスが心身の不調に繋がる可能性もあります。

アジア地域も一部を除き、24時間営業のコンビニや飲食店がある国はほとんどありません。公共交通機関が時間通り運行されず、時刻表はあってもバスや電車がいつ来るのかわからないということもよくあります。

ストレスに感じることも「日本では…」と考えず、「この国の当たり前」と現地のありのままを受け入れる気持ちを持つことが重要です。

食事が口に合わない

世界で類を見ないほど多様な食文化を持つ日本で暮らしてきた日本人にとって、海外生活で強いストレスを感じるのが食生活です。

宗教の違いから、一部の食材やお酒が飲食できない国もあります。自炊をしようにも、日本食を作るための食材が手に入りにくい・種類が少ない・金額が高いなどの問題も。また、日本のように、多様なレストランでさまざまなジャンルの食事ができる国は少ないため、現地の食文化が合わない人にとっては食事が苦痛に感じてしまうかもしれません。

赴任先が決まったら、日本の食材を購入できるスーパーや日本食が食べられる美味しいレストランについて前任者や現地の日本人から、情報を収集しておきましょう。

治安が悪く危機管理が必要になる

海外駐在では、危機管理は必須の対策事項です。日本は世界でもトップクラスで治安が良いため、夜に1人で出歩いたり、電車でうたた寝していてもトラブルに巻き込まれることはそう多くありません。しかし、多くの国では日本よりも犯罪件数が多く、路上での強盗やスリ、詐欺、暴行傷害、麻薬の売買、テロリストの襲撃などが発生するリスクがあります。

事前に現地の治安情報を調べて、危険が及ぶ可能性がある場合は「夜間の外出を控える」「治安の悪い道や地域に近づかない」「警備が厳しい住居を選ぶ」などの対策が必要となります。現地の常識を知らない日本人は事件に巻き込まれやすいため、よくあるトラブルや犯罪の手口について勉強しておくことも大切です。

家族の生活や人生にも影響する

家族がいる人にとって、海外駐在は自分だけでなく家族の人生にも大きな影響を与えます。期間限定とはいえ、家族に赴任先に付いてきてもらう、または単身赴任で別居することになるため、家族内に亀裂が入ることが考えられます。

家族帯同の場合、働いている配偶者は自分のキャリアを中断することになり、子どもは転校を余儀なくされます。さらに、文化や習慣の違いや食生活の違い、治安やインフラに関する違いは、家族にとっても大きなストレスです。単身者の場合でも、交際終了につながったり婚期を逃したりすることがあるでしょう。

そのため、家族や交際相手の人生にも影響することを前提に、事前に話し合ったうえで海外駐在を決めることが重要です。

海外駐在員になるためには?

現在海外駐在している日本人は、どのようにして駐在員となったのでしょうか。

・海外駐在員を派遣している部署に異動する

・海外の拠点や取引先とやり取りがある部署へ異動する

・海外駐在員のポジションの求人を出している企業に転職する

・海外駐在員を派遣した実績のある企業に転職する

多くは、上記のような4つのルートで海外に赴任しています。ここからは海外駐在員になる方法をみていきましょう。

海外駐在員を派遣している部署に異動する

海外駐在員がいる会社で働いている会社に勤めているのであれば、部署異動を申請することで、海外駐在の実現に近づきます。

海外に派遣されることが多いのは、現地スタッフには任せにくい役割を担うポジションです。たとえば、経理や財務、工場での品質管理、現地での日系クライアントとのやり取りなど。つまり、海外駐在員に派遣している部署に異動することに加え、海外駐在として求められる職種に就く必要がなります。

海外の拠点や取引先とやり取りがある部署へ異動する

海外駐在員を派遣しているとまではいかなくても、海外の拠点や取引先とやり取りがある部署に異動することでも駐在員を目指すことができます。

海外で働くためには、業務に必要な最低限の語学力やマネジメント能力、その他現地での業務に必要な専門スキルを身につけておかなければなりません。能力がないと海外駐在できる環境にあっても選考で選ばれることはないので、必要なスキルを身につけることが先決です。すぐに海外に赴任できなくても、海外の拠点や取引先とのやり取りで能力を身につけることが最初のステップとなるでしょう。

海外駐在員のポジションの求人を出している企業に転職する

社内でチャンスがないという場合は、海外駐在員の求人に応募をして、転職する必要があります。海外駐在を希望して入社することになるため、海外駐在員になるための最短ルートといえます。

派遣する地域や国を指定して求人が出ていることも多く、希望の国に赴任できる会社を選ぶことができます。一方で、求められる経験・スキルも限定されていることから、入社時の選考で落とされれることも考えられます。

海外駐在員を派遣した実績のある企業に転職する

現在は海外駐在員の求人を出していない企業であっても、過去に駐在員を派遣した実績があると、入社後のチャンスが期待できます。次にいつ駐在員が選考されるのか、入社時にわからないこともあるため、将来的に海外への赴任を希望できる場合に活用できます。派遣まで時間があるため、これから必要なスキルの習得を目指すという人にとってはむしろ好都合かもしれません。

企業によって注力したい地域や海外拠点を置いている国、派遣する職種が異なるため、入社前に自分の希望と合致するのか確認が必要です。また、海外駐在を条件に入社するわけではないため、派遣される保証はありません。

海外駐在をするために必要な準備

実際に海外駐在が決まったら、下記のような準備が必要となります。

①現地の情報収集を行う

②パスポート・ビザ取得の手続きを進める

③健康診断・予防接種を受ける

④現地の人と仕事ができるだけの語学力を身に付ける

海外駐在を前提に異動や転職を考えている人は、必要な準備事項を確認しておくことでスムーズに赴任することができます。できることから準備を始めてもよいでしょう。

現地の情報収集を行う

まずは、赴任する地域や国の情報を集めます。とくに、治安・文化・宗教・社会情勢・生活様式のチェックは必須です。

日本は世界でトップクラスに治安の良い国なので、たいていの国は日本より危険だといえます。インフラが整っておらず、生活しにくいと感じる部分も多いでしょう。また、文化・宗教・政治については知識がないと、命にかかわるトラブルに巻き込まれる恐れもあります。さらに、家族も一緒に海外に住む場合は、より安全な地域で、子どもが馴染みやすい学校についても十分な下調べが必要です。

パスポート・ビザ取得の手続きを進める

日本から出国・赴任先の国に入国するためにはパスポートが、現地で仕事をするならビザの取得が欠かせません。

海外ではパスポートが身分証明書となります。駐在中にパスポートの期限が切れてしまうと、日本大使館や総領事館でパスポートを発給してもらう必要があるため、本来必要のない労力と時間を要します。

就業ビザは国によって種類や期間、取得にはつせ必要な条件が異なるため、一般的には企業側が手配してくれます。しかし、自分でもどのようなビザを取得する必要があるのか知識として把握しておくことで、現地でのトラブル対策になるでしょう。結婚している人は、家族のビザ取得も必要です。ビザに関する法律は変わりやすいため、動向をチェックしておくことも大切です。

健康診断・予防接種を受ける

海外では日本の健康保険は使えないため、何か病気や不調があってもすぐに医療機関にかかれるとは限りません。健康診断を受けて、必要な治療を受けておくようにしましょう。持病やアレルギーについて英語で記載された健康診断書があると現地でトラブルがあったも安心です。ちなみに、海外に6ヶ月以上駐在する社員への健康診断の実施は、事業主の義務として法律で定めがあります。

海外では日本にはない感染症が発生しています。特に発展途上国では、インフラ整備や衛生管理の水準が低く、駐在員の66%が下痢や風邪といった健康問題を抱えているというデータもあります。赴任先によって、黄熱やA型肝炎、破傷風、狂犬病、ポリオ、髄膜炎菌など、必要な予防接種を受けなければなりません。

参考:海外勤務者の健康管理 | 東京産業保健総合支援センター

現地の人と仕事ができるだけの語学力を身に付ける

海外で働くためには、現地のスタッフとコミニュケーションを取るための語学力が必須です。日常会話はもちろん、業務内容によっては専門用語を使った高度な語学力が求められます。

たとえば、同じ英語でも、国によって訛りや使用する単語の使い方が異なり、主にアメリカ英語を学んできた日本人には全く聞き取れないこともあります。語学力によって現地での成果が変わる可能性が高いため、できるだけ実践的な語学力を身につけておくことが重要です。

リスニング・スピーキングの強化

業務ではリアルタイムでコミュニケーションが取れることが最先決です。日本人は読み書きを重点的に学習しがちですが、日常ではリスニングとスピーキングのほうが重視されます。

リスニングなら、英文音声を書き取る「ディクテーション」や流される音声の後を少し遅れて発音する「シャドーイング」が有効な練習法として挙げられます。スピーキングなら、一般的なリピーティングのほか、正しい発音を練習する「フォニックス」や音のつながりを指す「リエゾン」「リンキング」を学ぶとよいでしょう。実際にネイティブスピーカーとの会話を経験しておくことも効果的です。

業界用語・よく使うフレーズのインプット

業界用語やよく使うフレーズについては、優先的にインプットしましょう。現地のニュースやWebメディアを確認すれば、頻出する単語やフレーズを見つけることができます。

業界についてのニュースやメディアを利用すれば、インプットと併せて仕事に関する最新の情報を収集することができます。テキスト本からインプットするよりも、習慣化しやすく、挫折もしにくいのでおすすめです。

海外駐在は事前準備・調査をしっかりしてから決めよう!

海外駐在にはメリット・デメリットがありますが、海外での経験はビジネスパーソンにとってマイナスになることはありません。グローバル社会が進む今、海外駐在の経験は日本に帰ってからも大きな強みとなるでしょう。

ただし、誰でもすぐに海外駐在員になれるわけではなく、語学力やマネジメント能力などさまざまなスキルや経験を得る必要があります。これから海外駐在員を目指したいという人は、中長期的な視点でキャリアを設計し、より充実した海外駐在になるよう準備を進めるようにしましょう。

また、派遣が決まったら、現地でトラブルに巻き込まれないよう十分に準備や情報収集を行ってください。配偶者や子どもがいる人なら、家族の人生も考え、時間をかけて話し合ってから決めるのがおすすめです。