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採用代行とは?5つのメリットと注意点や向いている企業の特徴をご紹介

 

近年、人材不足や採用競争の激化により、企業の採用活動は複雑化・高度化しています。そんな中で注目を集めているのが「採用代行(RPO)」サービスです。

採用業務を外部の専門企業に委託することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。今回は、採用代行のメリットやデメリット、導入すべき企業の特徴について詳しく解説いたします。

採用代行(RPO)とは

採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)とは、企業の採用プロセスの一部または全部を外部の専門会社に委託するサービスです。求人票の作成から面接、内定手続きまで、採用に関わる幅広い業務を対象とします。

採用代行では、人材紹介とは異なり、採用業務そのものを代行します。成果報酬ではなく、依頼した業務に対して費用を支払う仕組みが一般的です。近年では、採用コストの削減や採用品質の向上を目的として導入する企業が増加傾向にあります。

対象となる業務は企業のニーズに応じてカスタマイズでき、書類選考のみの部分的な委託から、採用戦略の立案まで含む包括的な委託まで様々な形態があります。

人事担当者が押さえておきたい採用代行の5つのメリット

採用代行を導入することで得られるメリットは多岐にわたります。特に人事担当者にとって重要な5つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

事務作業を任せて面接などの「コア業務」に集中できる

採用活動では、求人掲載や応募者管理、日程調整など多くの事務作業が発生します。これらの業務を代行会社に委託することで、人事担当者は面接や採用戦略の立案といったコア業務に専念できるようになります。

特に書類選考や一次面接などの工数が多い作業を外部委託することで、最終面接や内定者フォローなど、より重要度の高い業務にリソースを集中させることができます。結果として、採用の質の向上と担当者の業務負担軽減の両立が実現できるでしょう。

プロのノウハウ活用で母集団形成や選考の質が上がる

採用代行会社は豊富な採用支援実績を持ち、効果的な求人票の書き方や適切な媒体選定のノウハウを蓄積しています。これらの専門知識を活用することで、より多くの優秀な候補者を集める母集団形成が可能になります。

また、面接官トレーニングや構造化面接の導入により、選考の客観性と精度も向上します。自社だけでは気づきにくい採用手法の改善点についてもプロの視点からアドバイスを受けられるため、継続的な採用力の強化につながるでしょう。

採用担当者のリソース不足を即座に解消できる

急な退職や事業拡大により採用ニーズが急増した場合、社内リソースだけでは対応しきれないケースがよくあります。採用代行を活用することで、必要なタイミングで即座に採用体制を強化することが可能です。

特に中小企業では人事担当者が1〜2名という場合が多く、採用業務と他の人事業務を兼務しているケースが一般的です。採用代行によってこのリソース不足を補完することで、採用活動の遅れや機会損失を防ぐことができます。

繁忙期・閑散期に合わせて採用コストを変動費化できる

採用活動には繁忙期と閑散期があり、年間を通じて一定の採用体制を維持することは非効率です。採用代行では必要な時期にのみサービスを利用できるため、採用コストを変動費として管理することが可能になります。

新卒採用が集中する3〜4月や中途採用が活発になる9〜10月などの繁忙期にのみ代行サービスを活用することで、年間の採用コストを最適化できます。固定費として採用担当者を増員するよりも、柔軟性の高いコスト構造を実現できるでしょう。

客観的な視点で採用フローの課題を発見・改善できる

社内の採用担当者だけでは、既存の採用フローに対して客観的な評価を行うことは困難です。外部の専門家が採用プロセスを分析することで、見落としていた課題や改善点を発見することができます。

例えば、応募者の離脱が多い工程や選考期間の長さ、面接官のスキルレベルなど、データに基づいた課題分析が可能です。これらの分析結果をもとに採用フローを改善することで、採用効率や候補者体験の向上につながります。

導入時の懸念点となるデメリット

採用代行には多くのメリットがある一方で、導入時に注意すべきデメリットも存在します。事前にリスクを把握し、適切な対策を講じることが重要です。

丸投げすると社内にノウハウが蓄積されない

採用業務を完全に外部委託してしまうと、社内に採用ノウハウが蓄積されず、将来的な内製化が困難になる可能性があります。特に採用戦略の立案や候補者評価のスキルは、企業の成長に欠かせない重要な能力です。

この問題を避けるためには、代行会社との定期的な情報共有や、社内担当者の同席による業務の可視化が必要です。単純な業務委託ではなく、ノウハウ移転を前提とした協力関係を築くことで、長期的な採用力の向上を図ることができるでしょう。

認識のズレにより採用ミスマッチが起きるリスク

採用代行会社が企業の求める人物像や企業文化を正確に理解できていない場合、採用ミスマッチが発生するリスクがあります。特に企業の価値観や働き方に関する微細なニュアンスは、外部の担当者には伝わりにくい場合があります。

このリスクを軽減するためには、プロジェクト開始前の詳細なヒアリングや、定期的な振り返りミーティングが不可欠です。また、最終面接は必ず社内で実施するなど、重要な判断については社内で行う体制を整えることも重要でしょう。

依頼範囲を明確にしないと費用対効果が悪化する

採用代行の委託範囲が曖昧だと、想定以上の費用が発生したり、期待した成果が得られない可能性があります。事前に依頼する業務の範囲や成果指標を明確に定義することが、費用対効果を高める上で重要です。

例えば、「応募者数○名以上」「書類通過率○%以上」といった具体的なKPIを設定し、定期的にモニタリングする仕組みを構築しましょう。また、追加業務が発生する際の費用についても事前に確認しておくことで、予算オーバーを防ぐことができます。

採用代行は自社に必要?導入が向いている企業の特徴

採用代行の導入を検討する際は、自社の状況や課題を正確に把握することが重要です。特に効果的な活用が期待できる企業の特徴について見ていきましょう。

採用担当者が他業務と兼務しており手一杯の企業

中小企業やスタートアップでは、採用担当者が人事制度設計や労務管理なども兼務しているケースが一般的です。このような状況では、採用業務に十分な時間を割くことが困難で、結果として採用活動が後手に回りがちです。

採用代行を活用することで、他の重要な人事業務に集中しながら、質の高い採用活動を並行して進めることが可能になります。特に急成長中の企業では、組織体制の整備と採用活動の両立が重要な課題となるため、外部リソースの活用が効果的でしょう。

採用ノウハウが不足しており自社だけでは成果が出ない企業

これまで採用活動の経験が少ない企業や、特定の職種での採用が初めての企業では、効果的な採用手法やノウハウが不足している場合があります。このような状況では、自社だけで採用活動を行っても期待した成果を得ることは困難です。

採用代行会社の豊富な経験とノウハウを活用することで、短期間で効果的な採用活動を展開できます。また、プロジェクトを通じて自社にもノウハウが蓄積されるため、将来的な採用力向上にも寄与するでしょう。

急な欠員補充や事業拡大でスピード採用が必要な企業

重要なポジションの急な欠員や、新規事業立ち上げに伴う大量採用など、短期間で多くの人材を確保する必要がある企業では、採用代行の活用が特に効果的です。社内リソースだけでは対応しきれないスピード感での採用活動が求められます。

採用代行会社は複数の採用チャネルを並行して活用し、効率的な選考プロセスを構築できるため、通常よりも大幅に採用期間を短縮することが可能です。ビジネス機会を逃さないためにも、このような状況では積極的な外部リソースの活用を検討すべきでしょう。

自社に合う採用代行会社の選び方

採用代行会社によってサービス内容や得意分野は異なります。自社の課題や目標に最適なパートナーを選ぶためのポイントを確認しましょう。

自社の業界や募集職種での支援実績は豊富か

採用代行会社の実績は、サービスの質を判断する重要な指標です。特に自社と同じ業界や募集職種での支援実績が豊富な会社を選ぶことで、より効果的な採用支援を受けることができます。

業界特有の採用課題や求職者の動向を理解している会社であれば、適切な採用戦略を提案してもらえるでしょう。事前に過去の支援事例や成果について詳しく確認し、自社の状況に近い企業での成功実績があるかを確認することが重要です。

依頼したい業務範囲や期間に柔軟に対応できるか

企業によって採用代行に求める業務範囲は異なります。書類選考のみの部分的な委託から、採用戦略立案まで含む包括的な支援まで、ニーズに応じて柔軟にサービスを調整できる会社を選ぶことが重要です。

また、繁忙期のみの短期契約や、年間を通じた長期契約など、期間についても柔軟性があるかを確認しましょう。企業の成長段階や事業状況の変化に合わせて、サービス内容を調整できるパートナーシップを築くことで、長期的な採用力の向上が期待できます。

まとめ

採用代行は、コア業務への集中、プロノウハウの活用、リソース不足の解消など多くのメリットを提供します。一方で、社内ノウハウの蓄積不足や認識のズレといったリスクもあるため、適切なパートナー選びと運用方法が重要です。

特に採用担当者のリソース不足に悩む企業や、採用ノウハウが不足している企業にとって、採用代行は有効な解決策となるでしょう。自社の課題や目標を明確にした上で、実績豊富で柔軟性の高い採用代行会社との協力関係を築くことが成功の鍵となります。